(一社)大阪府歯科技工士会主催「歯科チームにおける感染対策セミナー」レポート<第2回>

前回に引き続き、「歯科チームにおける感染対策セミナー」の様子をお伝えします。

大西正和先生は「『歯科技工士の感染対策、これだけはせなあきまへん!』患者さん、歯科チーム、そして自分自身のために」という演題で、私たち歯科技工士の立場から、感染対策を行う上で特に実践すべき事項についてお話下さいました。

大西先生も、前田先生と同じく、感染対策を考える上でやはりゾーンの考え方は不可欠とした上で、完成技工物を技工ゾーンの外へ持ち出す際や、外から技工ゾーンへ持ち込む際には適切な感染対策を行うことが重要と仰っていました。
診療ゾーンで歯科治療を開始し、完成技工物をセットするまでの間で汚染を拡大させないためには、消毒過程はできるだけ初めの工程で段階で感染対策を行うのが有効だそうです。

また、ゾーンとは別の視点から、感染対策はマナーの問題でもあると仰いました。
例えばハサミを相手に手渡す時、刃先を向けては渡しませんね。危険な物を手渡す時には、相手の安全に配慮しているのです。
日常生活では、このような配慮が自然とできているにも関わらず、仕事の場となると途端にそれが欠けてしまうのはなぜでしょう。
刃先を相手に向けてハサミを手渡せば、受け取る側は怪我をしてしまうかもしれません。
しかし、消毒されていない印象体を相手に手渡しても、感染症の原因となるウイルスは目に見えないため、「相手を汚してしまうかもしれないから気をつけよう」という心遣いがしにくいのではないでしょうか。
歯科スタッフ全員が感染症についての知識を得て、マナーの観点で日々のお互いの仕事を見ることが必要ではないかと感じました。

大西先生はお話の最後に、「これだけは絶対せなあきまへん」として、B型肝炎ワクチンの接種について訴えておられました。
今年の10月から、4月以降に生まれる0歳児を対象にワクチンの定期接種が開始されることスライドを考慮すると、医療関係者にとって接種は不可欠と言えます。
特に、出産を経験する女性の医療関係者は、母子感染の可能性を無くすためにも接種すべきです。
何の罪も無い新しい命や、第三者に感染を拡大させないためにも、ワクチン未接種の方は今後、接種することを検討されてはいかがでしょうか。

大西先生は、自身が講師を務める「押しかけレクチャー」という出張感染症対策レクチャーを、ボランティアで開催予定でいらっしゃいます。
詳細については、当サイト内でも掲載いたしますので、ご興味を持たれた方は参考になさってください。

質疑応答の時間には、演者と参加者間で積極的に意見が交わされ、感染症対策に対する意識が高まった一日になったのではないでしょうか。

読者の皆さん、今一度自分の働くゾーンに持ち込まれる物や、そこから持ち出す物の感染対策に目を向け、歯科スタッフ同士意見交換をする場を設けてみませんか。
積極的にコミュニケーションを図ることで、自分や他者を感染症から守り、信頼関係を築くことができるかもしれませんよ。