大阪大学歯技会 第10回学術大会 参加レポート <第3回>

大阪大学歯技会 第10回学術大会 午後の部

企業講演&特別講演

大阪大学歯技会レポートとして、午前の部を2回にわたってご紹介しました。
今回は、午後の部の模様をお伝えします。

午後の部は企業講演として、株式会社松風から、研究開発部主任研究員でおられる北村敏夫先生によるご講演と、
特別講演として神戸大学大学院 医学研究科 特務准教授の杉本真樹先生のご講演がありました。
企業講演「CAD/CAM冠の臨床的優位性及び注意するべき点」

北村先生は「CAD/CAM冠の臨床的優位性及び注意するべき点」と題して、
今注目されているCAD/CAM冠を中心に、デジタルデンティストリー時代の材料や技術についてお話くださいました。
歯科医療のデジタル化が進む中、口腔内スキャナによる印象採得方法の変化や、セメント材料の進化によって接着できるものの幅が広がることを考え、「歯科技工士にも、補綴物の入口と出口である印象材とセメントについて知ってもらいたい」と仰っていました。
CAD/CAMを含め、デジタルデンティストリーを考える上で、CAD/CAMシステムについてはいろんなところでお話を聞いたり、マシンを見たりする機会はありましたが、材料にはほとんど目を向けたことがなかったので、いつもとは違う視点からデジタル化と技工を考えることができました。
CAD/CAM冠の補綴を成功させるためには、形成の仕方を歯科技工士から歯科医師にお願いするなど、この先デジタル化が進んでいっても、歯科医師と歯科技工士がコミュニケーションをとることが大切とも仰っており、歯科医師と歯科技工士が対等に会話できる知識を身につける必要があると感じました。

午後の部①午後の部②

特別講演「医療 IT ものづくり最前線:CAD/CAM から拡張現実、3D プリンタ、ロボット手術へ」

次に、杉本真樹先生の特別講演「医療ITものづくり最前線:CAD/CAMから拡張現実、3Dプリンタ、ロボット手術へ」です。
杉本先生は歯科技工の世界でもよく耳にするようになった3Dプリンタの技術を、生体の臓器そっくりに再現する臓器モデルの製作に利用されており、手術シミュレーションに活用しておられます。映像で臓器モデルに触れている様子を見ましたが、形や質感などが本物の臓器に近い形で作られていました。歯科では、総義歯をCAD/CAMや3Dプリンタを用いて製作する動きがありますが、臓器モデルの例を見ると、より精度が高く、より口腔内に合う材料を使用した総義歯の製作が可能になる時代が来るのではないかと思いました。
たくさんの写真や映像を交えながら、ITを利用した医療の最新技術をご紹介くださいましたが、中でも驚いたのは、OsiriX(パソコン上でレントゲン画像を立体化できる無料のオープンソフト)を利用して、手術をする患者の体にプロジェクションマッピングの方法で体内の画像を投影し、手術のナビゲーションにする技術でした。
レントゲンを立体化して見ることや、3Dプリンタで物体を造形することができるだけでも素晴らしいのに、さらにそれを応用して新しい技術を生み出す杉本先生のアイディアに、ただただ感心させられました。
このような最先端の技術が、今後の歯科医療にも大きな影響を与えてくれるかもしれませんね。
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今回、同窓会主催の行事に参加し、先輩方の歯科技工士としての多様な働き方を知ることができました。
また、企業講演や特別講演では、自分の歯科技工の考え方とは別の視点からご講話頂き、視野が広がりました。
同窓会行事を通して、普段関わることのできない方々と交流しお話をさせていただく機会は、貴重な経験となりました。