大阪大学歯技会 第10回学術大会 参加レポート

大阪大学歯技会 第10回学術大会 参加レポート

2015年11月1日(日)に、大阪府大阪市北区にある「エル・おおさか」にて、大阪大学歯技会 第10回学術大会が開催されました。
午前は「代表的な就業形態と、技工へのアプローチについて」というテーマでミニシンポジウムが行なわれました。
「院内技工」、「ラボ開設」、「ラボ勤務」、「メーカー勤務」のそれぞれの就業形態で勤務されている歯技会会員が登壇し、業務遂行にどのように取り組まれているかという発表をされました。
午後は、株式会社松風の研究開発部主任研究員でいらっしゃる、北村敏夫先生による「CAD/CAM冠の臨床的優位性及び注意するべき点」をテーマにご講演いただきました。
また、特別講演として、神戸大学大学院医学研究科 特務准教授 杉本真樹先生を招いて、医用画像解析とCAD/CAMを駆使した3Dプリンタ臓器モデルによる手術シミュレーションと、ロボット手術支援をメインに、最先端IT技術の医療への応用についてご紹介いただきました。
今回は当日の様子を、午前の部と午後の部に、数回に分けて紹介します。

大阪大学歯技会 第10回学術大会 午前の部
ミニシンポジウム「代表的な就業形態と、技工へのアプローチについて」

p20151217_1<PART 1>
今回は、「院内技工」に携わる2名と、「ラボ経営」をされている1名の登壇者の発表内容をご紹介します。

まずは「院内技工」に携わっておられる、市立池田病院 歯科技工室の嶋本政嗣さんの発表からスタートです。
嶋本さんは、口腔外科での歯科技工士としての役割だけでなく、医療技術部の一員としてのお仕事や、感染対策チームの委員会活動という3つの業務を遂行しておられます。
歯科部門だけでなく、他部門の職員と共に病院に勤務される歯科技工士ならではといった印象でした。
院内技工の臨床例として、シーネや顎義歯の製作について工夫されている点を紹介されており、こうした技工に携わる機会が多く、あらゆる症例に対して独自に工夫して技工物を製作するのは、口腔外科に所属する歯科技工士の仕事の特徴と言えるでしょう。

p20151217_22人目は、同じく「院内技工」に携わる立場から、大阪市の藤原歯科医院勤務 渡辺克美さんが、歯科医院の歯科技工士としての役割をお話くださいました。
歯科医師や歯科衛生士が、普段からどのような技工物を作っているかを把握してくれており、そのことがチェアサイドに歯科技工士も出かけていきやすくなり、綿密な連携をとって技工物の製作ができるということが、歯科医院内に技工室があるメリットだそうです。
スタッフ同士が綿密に連携を取ることで仕事ができるのは、歯科医院に所属する歯科技工士ならではですね。
患者さんとの距離が近いことで、補綴物を製作するにあたって、治療期間や補綴物の製作方針を、いかに患者さんのメリットになるかを一番に考えて仕事をされていると感じました。

3人目の登壇者は、「ラボ開設」の立場から、Matsuda Oral Applianceを経営されている松田信介さんです。
開業されているラボによって、自費の補綴物製作に特化していたり、デンチャーワークだけ、クラウン・ブリッジだけというようなある分野を専門にしているラボなど、運営方針は様々です。
松田さんのラボは少人数制ですが、ある分野を専門にしているというわけではないようです。仕事のパートナーであるドクターが作りたいものを形にするのが歯科技工士の役割と考えて、あらゆる補綴物の製作に取り組んでおられるようです。
ドクターが目指す治療のゴールに近づけるため、ドクターはもちろん、他の歯科医院のスタッフとも綿密な連携を取ることが大切だと仰っていました。
病院や歯科医院に勤務する歯科技工士とは違って、ラボで仕事をされている歯科技工士は、直接歯科スタッフや患者さんと接する機会が多くはないですが、積極的にコミュニケーションをとることで、治療方針を歯科スタッフと一緒に考えて補綴物製作をすることができますね。

同じ「院内技工」に携わる歯科技工士でも、病院と歯科医院とで働く場所が異なれば、携わる役割や仕事内容も違うんですね。
「ラボ経営」をされている方も、規模によって経営方針は大きく変わるのでしょうが、こだわりを持って技工をされているということを感じました。

次回は、「ラボ勤務」と「メーカー勤務」のそれぞれの仕事に携わっておられる4名の歯科技工士さんの発表をご紹介します。